管理人の変な車好きが頂点に達した瞬間! もう車というよりは殆ど遊園地の乗り物です。車検証に大正12年製造車と明記されているいわゆる23T、1923年型のT型フォードのストリートロッドです。 当時のショーカーだったものを名古屋の某自動車会社社長が趣味で1970年代に日本に輸入。 一度も日本の地を走ることなく未登録のままショールームに眠っていました。 当時の現地での買い付け代金はドル円為替レートも200円台後半だったのでなんだかんだで800万円を超えていたそうです。 


20年間の隠遁生活を送ったビル3階のショールーム。 東名高速の端から端、東と名を車載レンタカーを借りて日帰りで引き上げに行きました。 珍しく同行した全く車に興味の無いカミさんは唖然としていました。 そりゃそうかも。社長さんはとても良い人で車談議も盛り上がりました。 価格は格安!! 
とりあえず、エンジンコンディションはヘベレケだったのですが、セッティングも兼ねた試乗ができるように車検を通しました。陸自で物議を醸し出したのは言うまでもありませんが、大正12年製造車ということがすべての免罪符に・・・・・。 諸元表なんてあるわけもなく陸自もお手上げ。 触媒、シートベルトはおろかウィンカーもバックミラーも付いていないまま一発合格(笑)。 「まさか、日ごろ乗るとは思いませんが気をつけてくださいね。」 と検査官の優しいおことば。 しかし、私は日ごろどころか毎日のゲタに使おうと思っていました。  




エンジンのOH、スーパーチャージャー取り付け風景・・・・スーパーチャージャー案はセッティングが出来ないので残念ながらボツ。 ツインキャブのトンネルラムもとりあえずオアズケにしてシングルキャブにデュアルプレーンのマニホールドでシンプルなシステムとしました。 そして、2003年4月、各部の修理を終え、絶好調の23T。 アッカーマン配置が悪く全く曲がらない車でしたがこれも修正。 機械式ファンはベタ踏みで羽が割れちゃいました。 ラジエターを6層に張替え、電動ファンへ変更。  セッティングは首都高(笑)で行ったのですが、ランエボにパッシングして(おいおい・・・) ベタ踏みで追い抜く瞬間に道路の継ぎ目を踏んだらフロントのワイヤーホイールが5-6本折れて耳をかすめて後方に飛んでいきました(怖)。 15インチZ31のテンパータイヤを履いていたのですが、これを機会にホイールを交換しました・・・スピンドルマウントのステンレスワイヤーのチューブレス16インチですが、クォリティは最高で6プライのタイヤと共に安心して踏めるようになりました。 特別なことはしていないOH済みのエンジンは絶好調、ベタ踏みすると最初の30メートルくらいはホイールスピンしっぱなし!  ミッションは2速ATのPG(パワーグライド)ですが、1速で100キロ以上出るので怖くて2速全開にできません。 ほとんど直管のサイドマウントへダースの音も最高にレーシー(笑) 一応、安全の為にリアランプは付けました。 オカマ掘られそうで怖かったので。 交差点はあいかわらず手信号です。 




2003年5月、完成した330とともにカーショーに出発。 走る棺おけと化した23Tの代理ドライバーを務めてくれるのは、踏みっぷりで定評のある大塚氏。 日曜日朝6時の外苑東通りはご覧の通りガーラガラ。 正面に見えるビルは六本木ヒルズです。 


フル加速で21世紀にレインボーブリッジを渡る大正12年のT型フォード!! う〜ん絵になります。 彼のニコニコ顔をみればこの代物をドライブすることの楽しさがお解かりいただけると思います。




東扇島で行われたカーショーにて。 330はアワード獲得!! 


 続いて同年11月、実家のある八王子市いちょう祭りのクラッシックカーパレードに参加しました。 5月以降、夏場の暑さ対策の為に幌を付けましたが、これがクラシカルな良い雰囲気です。 サイドマウントへダースから知り合いに譲ってもらったバラチョン(マージドタイプではない8連)Zoomyに交換。 マシンガンのように弾ける音が最高です。 このエグゾーストは排気の状態が独立してわかるのでセッティングにも大変役立ちました。 



出走前のカーショーでその物体に愕然とする八王子警察署長。 


いよいよ出走。 一般参加車両は年式順なので当然1番目です。


古い車にはつらい人間が歩く速度での3時間におよぶパレード。 トラブル無く勤め上げました。