第1話 発見そして引き上げ引き上げ!!
昭和47年MS56ダブルピック (2004年9月購入)

Letter from 岩手

このページでは620から乗り換えたAのMS56の発掘から現在までをレポートします。 ひととおり手を入れた620は絶好調で良い車でしたが、ひととおり完成してやることが無くなっちゃたので、次期プロジェクトカーを探していました。 そんな折、当hp東北支部がお世話になっている●藤さんから、「変な車が売りに出ている」との画像付き情報がありました! 場所は岩手県です。「おぉ〜50後期かぁ〜いいね〜・・・・あれ? でも・・・これは・・んん??」 なんと、それはただの50セダンではなくWピックアップでした!! すげ〜!!
 

発見時、●藤さんがメールに添付してくれた画像が以下2枚です (*゚Д゚) ムホムホ



どうも中古車店というよりは、他にちゃんと仕事を持っているモノズキな人が、自ら手に入れた旧車を適当に並べて「売れるものなら売りたい」という脱力した販売方式のようです(笑)。 メールで頂いた第一報時は、 「エンジンは始動するが走行できない為詳細は不明、時々セルが回らなくなる、ラジエター水漏れ、ボディ状態は再塗装されているためよく分からない」という状況でした。 画像を穴があるほど良く見ましたが、ボディの程度はかなり良さそうです。 「これを逃したら二度と手に入らないかも!」という旧車乗りマニアにありがちな自分への最終説得をして、実車のある岩手まで新幹線で見に行くことにしました。 


↑がその時の画像です。 紹介してくれた●藤さんも同行してくれました。ありがとう●藤さん<(_ _*)>。 中途半端に改造部品がつけられ、手作り感いっぱいのコンパネにレザー貼りトノカバーと相まってなんともトホホな状態の56でした。 しかし、下回りや窓枠、ドアなどをチェックしてもほとんど腐りがありません。長年鍛えた旧車乗りの感で「コレハイケル!」と判断し、即購入を決断(笑)。 廃車証をみせてもらうと法人名義で自動車整備工場の所有だったことがわかりました。 整備工場がなぜこんな使えない車を購入したのか? 売れ残ったコレを付き合いのある自動車工場がトヨタから安く引き取ったのか? 税金対策だったのか? いづれにしろこの型のWピックには謎が多いです。 カタログには出ているようですが、それにしては現存台数が少なすぎ・・・受注生産だったという噂もあります。 

画像の通り、ついてる社外品はセンス最悪でした〜(´;ω;`)ジワッ  全然似合わない15インチクレーガー(そのままゴミ箱行き確定)、ルーカス風の非純正フェンダーミラー(同じく即ゴミ箱)。 ケツ上げスタイルも前がノーマル車高の為全然似合ってません・・・おまけにボディ同色のはずのサッシが黒く塗られています・・・カッコワルw 廃車証に記載されていた廃車時のナンバーは「岩4」・・・あぁ、もったいないですね〜ナンバーついていたら岩手に引越しするところでした(笑)  

画像クリックで大画面
とりあえず陸送の帰り便に乗せてもらって格安で八王子の実家ガレージまで運んでもらいました。ここから細かく検証していきます・・・とりあえず走るようにすることが重要なので懸案のエンジンからチェックです。 まず、ラジエターからの水漏れですが、これはYオークションでラジエターキャップ部を破損した程度良しの50セダン用のものを1000円(安w)で購入し、キャップ部の半田を溶かして規格品の新品と入れ替えました。 スペックは、商業車としては豪華なM型6気筒搭載のコラム3速車です。(6気筒車は更にレアなのかも?) 型式はM型搭載車がMS56となり、4気筒のR型エンジンを搭載した車はRS56となります。 色換えされてしまっているのが残念です。 エンジンルーム中、ファイアーウォールの水色が本来の色です。 いづれ元色で塗りなおしたいですねぇ。   


画像クリックで大画面
次はセルが回ったり回らなかったりという問題ですが、その直前に知り合い所有の廃車MS50事故車が解体予定だったので部品をしゃぶらせてもらいました。 セダンのツィンキャブ、クーラー付きだったのでそのあたりの部分の部品も一応はずしておきました。 中古でもいちおうウォーターポンプとかデスビとか製造廃止部品が手元にあるのは心強いです。 実は一番欲しかったのはデフだったんですよ〜! ファイナル4.3が欲しかったんです。実車は4.875というローギアードでさらに3速なので高速道路が辛い・・・苦労してはずしたのになんとセダンのこの車にも4.875の同じものがついていました。 なんでセダンにこんなファイナルが!? 日産の乗用車じゃ考えられないギア比です・・・(´・ω・`)ガッカリ。 

降ろしたセルと実車のセルを入れ替え、ついでに踏んでも戻ってこないクラッチのレリーズシリンダも入れ替えました。 もちろん画像の黄色だったバキュームホースもちゃんと黒に戻しましたよ〜。 クラッチの方はバッチリだったのですが、セルの方は入れ替えてもまったく同じ症状です。10回くらいキーをクリクリひねると1回くらいの割合でセルが回るんです・・・・?? キーシリンダの磨耗が原因だろうと考えてセルの支持線をバッテリー直結してみるとやはりセルは問題なく元気に回ります。 「やっぱ配線かぁ〜」 念のためキーボックスから来ている支持線に検電針をあててみると・・・不思議なことに10回まわして10回光ります・・・アラ(^_^? ということは、支持線に電気は着ているけど電圧がたりないということ? テスターで計ると9Vくらいしか来ていませんでした。 旧車にありがちな古い配線の抵抗値増でセルのスターターリレー回路を閉じられない・・・ということでしょう。 いづれ配線はやり直すとして、その場は支持線に市販のリレーを取り付け、セルONでバッテリーから直に12Vが供給できるようにしました。 そのまま2年乗ってますがトラブルなしで快調です・・・って、ちゃんと直せよ→σ(´ω`*)   

画像クリックで大画面
オーバーフロー気味だったキャブも全部ばらしてキャブクリーナー漬けにして一晩放置、全ての穴をエアブローして新品のガスケットで組み付け。 ぴたりと止まりました。 これでとりあえずのエンジン周りのトラブルシューティングは 完了。 あと心配になったのは「一応機能しているオルタネーター」です。 バッテリー新品にもかかわらず、夜にウィンカーを出すとメーターパネルの照明やらライトやらテールランプまで一緒に点滅してます(爆) 特に電気モーター系のもの(ヒーターブロア、ワイパーなど)と同時使用が辛いようで、スイッチをONにしたとたんに電流計がガクーンと下がってピクピクしてます(´;ω;`)ジワッ  ここは現代車の安定して電力供給ができるICオルタに交換したいところ。 純正品を巻きなおすと高いし、現状ではそんなに電気はいらないので軽量コンパクトな軽自動車のICオルタを解体屋から買ってきて取り付けることにしました。 2000円くらいで済むしね〜(o^-')b グッ!  

買ってきたのはダイハツ・ミラの60A、ICレギュレータ内臓オルタです。 画像のとおり大きさがこんなに違います!重さも3倍くらいちがう感じ。 と、同時に当然取り付けステーの形もまるで違います。 そこは解体車から適当にはずしてきた半円型で強度のあるトランクのヒンジ(面影ありますね・・笑)をベースにステーを溶接して帳尻を合わせました。 これでノーマルの位置にぴったりです。 これで安定電源を確保♪ ちゃんとベルトも貼れるし軽くなり、部品取りの車はいつでも解体屋にあるしいいですよ〜♪ 大きいものを小さいスペースにつけるのは大変だけど、小さいものを元の大きいモノと入れ替えるのは簡単です♪ 装着後はブロア回してもワイパーつけても全然大丈夫。 ライトも明るくなって快調Σd(゚∀゚。)デス!   


画像クリックで大画面
固着してる箇所があったり、オイルがダラダラだったブレーキ周りも全輪分解掃除しました。ホイールシリンダ内部のアルミサビによるざらつきも極細のペーパーでツルツルに磨いておきました。 磨きすぎて凹むとシール性が低下してオイル漏れするので注意です。 その後4輪ドラムのクリアランス調整をきっちりとりました。 ハンドルから手を離してブレーキを踏むと勝手にハンドルがクルクルまわるような状態でしたが、これもぴたりと治りました。 ホイールシリンダのシールなどのゴム部品は実物を持ち込んで古い部品屋さんに見せたところ、倉庫の奥から埃をかぶった在庫品を出してくれました。 箱自体が昭和レトロでした♪ 

いちおう心配なく公道を走れるようになったのでいよいよ車検取得です・・・・が、もちろんこの車、4ナンバー貨物なのでNOXアウトで東京じゃ乗な〜い(*´∀`)アハハ・・・・って笑ってる場合じゃありません。 しかし、そんなことはちゃんと承知で買ってますのでさっそく改造にかかります。 実はトノカバーだけで大丈夫だろうと買ったときからついていたダサダサのトノカバーを「外せないようにきっちりボルト留めして」午前中の車検に行きました。 しかし、その「トノカバー上に荷物が載せられるじゃん」と検査官にツッこまれ・・・・「こんなところにモノ乗せるか!」と憤慨しながらも一旦退却。 
なんとか午後はリベンジしてやろうと頭をひねって思いついたのが画像の方法です(爆)。 こうなったらカッコイイとか悪いとか言ってられません。 トノカバーの上にタル木をバシバシとドリビスで留めてトタン屋根を「荷物が載せられないように斜めに」装着します。 ほとんど走るゲゲゲハウスのようになってしまいました(水爆)。 午後、先ほどの検査官のところに行き、「荷物乗せられなくなっちゃたぁ〜(*´∀`)アハハン♪」と見せた所、検査官は 「・・・・・・・・・・(呆然)」 その後、「危ない突起物」が無いかを探す検査官・・・しかし、次は絶対そこが来るなと思っていたのでちゃんと角を全部丸めて内側に織り込んでおきました。 やっと検査をうける権利を得た56はその後の検査、スピードメーター(問題なし)、ブレーキ(ベタ踏み)、ヘッドライト(純正シールドビームで鬼ふかし)、排ガス(問題なし)、下回り検査(問題なし)と1発合格。 晴れて4ナンから5ナン乗用となりました。 しかし、今見てもマジかっこわるいですねコレw     

画像クリックで大画面
見事公道復帰を果たしたMS56。アラ出しの為に短期間でけっこう乗ってみました。白煙の多かったエンジンもすぐに出なくなりました(o^-')b グッ!  欠品だったミラーを探しましたが、右側はすんごいモノにくっついて発見されました。 なんと、当時のセダンの4社タクシーカラーです;・ロ・)!! この状態で3000円で購入しました。 ミラーよりもこのフェンダーが凄すぎます。 とても剥離して磨く気になれないのでフェンダーはこのまま展示品となりました(笑) 左側はKENAUTO MOBILEのKENさんに無理言って秘蔵のデッドストック品を分けていただきました。ところでこの車、受け取る時にこれまた謎なキーホルダーが着いてました。 キーホルダーにクラウンのマークが入っています! ひょっとしてこれ新車からのキーホルダーなのでしょうか?だったらすごいですよね〜なんか雰囲気からしてもそんな感じ!?  

画像クリックで大画面
あと、この車はボディにほとんど錆がないのになぜかボンネットの先端部分だけ妙にさびて穴が開いてました?? 一方で友人のもっている部品取りのクーペはボディの錆がひどいのになぜかボンネットだけはまるでさびてないんです?? ということでボンネットを頂くことにしましたW 130Zのマンハッタンカラーみたいでかっちょいい〜!!・・・わけないですよね(笑) もちろん、ボンネット先端のモールはちがうのでWピックのものを移植しました・・・・が、このモールをボンネット裏から止めてあるナットが全て錆で溶けているので6個全部ねじ切れました。゚(うェ`o)゚。 ですので、このモールを固定する中央にネジが切ってある金属片とまったく同じものを鉄板から切り出して6個手作りました。 あと、この車は左のドアに凸凹が多かったのでこちらも自分で板金しました。 ドアに立てかけてあるのは自作の超ロングアテ板です。 これですこしづつ面を出していきました。 そしてとりあえず見られる程度にボンネットと左フェンダー、左ドア、黒く塗られていたサッシだけ塗りなおしました。 それとやはりメッキの浮きが多く見られたFバンパーも程度の良い中古品と付け替えました。   

画像クリックで大画面
あと、買ったときから割れているとか反っているとかじゃなくてダッシュボードは影も形もありませんでした(´;ω;`)ジワッ  運転中に目に常時入る部分なのですごく気になります・・・・つか、フロントの窓が写りこみで真っ白! 夏はサングラスかけないと眩しくて運転できません(笑) ここはダッシュマットとかトホホなものでゴマカシタクナイのでぜひとも程度良品を入手したいところ・・・ところが! これもTahoさんの知り合いの方がリプロ品ではなく、なんとトヨタ純正品の新品箱入りを持っているとのこと;・ロ・)!! これもなんとか拝み倒して譲ってもらいました。 ピカピカ新品のダッシュボードはホント気持ち良いです。 50のダッシュはもともとその素材に問題があるようで反り返ってしまうものが多いそうです。 なるべく直射日光にあてないように注意するしかないですね。 (駐車場所がシャッターつき車庫なのであと10年は大丈夫でしょうw)

画像クリックで大画面
あとは瞬殺したクレーガーのかわりに入手した50純正ホイールをレストアしました。 銘柄違いのヒビ割れタイヤをはずすと中から茶色い気体が噴出しました(タイヤの取り外し、組み付けも全部自分でやります♪) 外見はそれなりでも中身はヒドイモンです〜!!(35年前の鉄ホイールなのでそれでも程度は良い方かもしれません・・・)錆でくっついたチューブを引き出し、ホイールはブラストを打って錆を完全に除去し、リン酸皮膜を作ってきっちり錆止めした上から塗装して仕上げました。 どうですか〜ピカピカでホワイトリボンと相まっていい感じです。 というか、商業車にはちといい感じ過ぎました(笑) 当然というかなんというか、このホワイトリボンのタイヤは現在も新品で売られているブリジストンのチューブレスタイヤです。 パンクした修理のことを考えるとぜひともチューブレス化したいところですが、これは簡単です。(次項参照)   

画像クリックで大画面
左の画像は共に画像の左がホイール外側になりますが、チューブレス用の鉄ホイールには突然タイヤのエア圧がゼロ(サイドウォールに穴が開いたとか鉄筋が刺さったとか)になった時にビートが落っこちないようにストッパーがついています。 チューブ用にはこの「モッコリ」がありません。 それだけです(笑) 私はチューブレスタイヤをチューブ要のホイールに履いてますが、全然エア圧落ちないです。 ただこのモッコリのあるなしでどのくらい危険度が違うのか検証した人がいないので真似する場合は@Your own riskでお願いします。責任とれませんので。 そこんとこヽ(ω` )ノよろしくお願いします。
引き上げてきてから3年間、こんな感じでゆっくりとしたペースでレストアを楽しんでします。 
素人のセミレストアにしてはまぁまぁ綺麗じゃないですか? 現在、エンジン、足回り等不具合なく絶好調♪ 
またイジッたらレポートします〜♪  2007年10月現在

その後、エンジン積み替えヘ。。。。。w