車雑誌がクライアントの手前、書きたくても書けなかった

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水準台を作る
次のステップとして、きっちりとしたゆがみの無いボディを作る為に、水準台を作り、その上で作業を行うこととしました。 最近、雑誌等でコンクリの床や砂利の作業場(!)でフレームぶった切ってZイングしているような光景をみましたが・・・・とても私にはその勇気はありません(笑) 早速、水準台のフレームになる6メーターのH鋼を2本注文し、その2本を鋼材屋さんに3メートル2本、1.5メートル4本に切ってもらいました。 私が買った100Vモーターの格安(それでも8万もした!!)のバンドソーじゃいったい何時間かかるかわかりません。 マジで、同サイズのH鋼一箇所切るのに20分かかります (まぁ、切ってる時は放っておけるので楽です。切り終わると自動的にスイッチOFFされますし。) しかし、理由は時間の節約以上に鋼材屋さんの工業用バンドソー(すんげぇデカイ!!)は精度も高いので、水準台だけは切断代を5000円払って切ってもらうことにしました。 フレーム作る上で、そんなお粗末なバンドソーでもあるのと無いのでは作業の速度と精度の点で雲泥の差です! 高速カッターじゃダメです。 やはり、付き合わせで溶接する部分が多いので、微妙な長さ調整、例えば100ミリ角の鋼管が1.5ミリ長すぎたので、1.5ミリだけ輪切りにすると言った作業は高速カッターでは不可能です。 すると面をサンダー等で削って合わせることになりますが、付き合せ面がガタガタになり、その隙間を溶接時にビートでごまかしても当然、溶け込みは均一ではなくなってしまいます。 (勿論、これも個人的な許容範囲には差があります。) いづれにしろ、バンドソーがあることにより、時間はかなり短縮できます。 さすがにH鋼は時間がかかりますが、フレームに使うような角、丸鋼管なら30秒くらいで綺麗にスパっと切断できます。 熱も出ません。 十分に元がとれますよ!!  
さて、水準台の製作開始です。 3メートルを両脇に、1.5メートルを4本、目の字に組み、その中央に補強を一本入れることにしましたが、ここで正確な水準を出すのは、本当はドエライ大変な作業です(水泡を読むような水平機や、ホームセンターで売っているナンチャッテ・デジタル水平機では、とても誤差の範囲には納まりません。 これも、何をもって誤差とするかは、個人によります。) 私は幸運にも友人にプロの測量士がいましたので、まずは、鋼材を目の字に置き、そこから「左後ろが2ミリ高い! 右前を1ミリ下げて!」という具合に少しづつ詰めて行きました。 数時間、調整しては計るを繰り返し、最後は新聞紙一枚をシムにして高さを調整し、仮溶接までこぎつけました。 
この後の溶接段階でゆがみが出ては何にもなりませんので、慎重な溶接が必要になりますが、相手は重量鉄骨で、そこら辺にあるようなMig、Tigではお話になりません。 しかし、これもまた、重量鉄骨の溶接ができる友人がおり、機材も持っているという幸運に恵まれました。 溶込みの優れた重量鉄骨用の200Vアークで仮止め、その間も測量機で4角の高さを常にモニターしました。 「右が引っ張られて上がったよ!!」と声がかかると、ナント! 一度点付けしたビートを溶棒でつついて真っ赤に灼熱させ、片手に持ったハンマーで鋼材を「コンコン・・・」と叩いて修正しました(驚)。 プロ凄すぎ・・・・自分ではこんなこと絶対出来ない・・・・。 そして、某Yオークションに廃品として出品されていた重量物用の車輪を6箇所(2個が固定、4個がクルクル動くスィベルタイプ)につけ、たかが車のボディを作るにはあまりにも贅沢な超高精度の水準台が完成しました! 友人たちに感謝しながらも、こういう現場における「何の役にも立たない」サラリーマンの無能さを味わった一日でした。 今日の作業では私は、鋼材の角のシムを入れたり抜いたりしただけ(笑) しかし、それでもクソ重たいH鋼を担いで動き回ったので、夜には激しい筋肉痛に襲われました(情) ちなみに奥に置いてあるのは、やはり別の友人の240SXのフルパイプのドラッグレーサーです。 
そして、いよいよ、ボディをフレームから下ろします。 木製のフレームがゆがまないように、大工さんの友人が、タテ、ヨコ方向に角材を渡し、これまた、友人のフォークリフトが出動!!で慎重に、ボディとフレームの間にフォークを差し込み・・・分離!! もう、何かしらの技能資格をもっている友人総動員で、車のレストアのはずが、現場は技能試験会場の様です(笑)。 本当にこれらの作業は全て友人関係で完結、皆手弁当で・・・・・・・・。 皆様ありがとうございます。 完成したら焼肉ご馳走します(笑)
後ろに写っている赤いTOYOTAのフォークがボディを高々と持ち上げている感動の画像が無いのは、ビクトリアのケツが重くて、フォークから落っこちそうになったので、あわてて支えているためです(笑)。  どうしていいのか? さっぱりわからないけど、とりあえず降ろしたボディのレストア開始です!!



Fへ続く