車雑誌がクライアントの手前、書きたくても書けなかった

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日本でも数少ない戦前車乗りの為の掲示板。 
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車体を検証する
レストア開始にあたって、まずは車体の検証を行いますが、車体がバラバラにならないようにツッパリを入れながら、すこしづつ慎重にばらして行きます。 このツッパリは木製フレームの要所要所にある鉄製のジョイント(エーモンのステーの厚いやつみたいなのですが)部分にMIGで点付けしていきました。 木の床板をおびただしい数の釘を抜きながらはずしていくとメインとなる骨格が出てきました。  画像を数枚用意しましたので、70年前のオーク材をじっくり見てやって下さい(汗)。  
ボディの一部に木が使ってあるのではなく、上の画像のようにドアの前後をつなぐサイドシルなどボディの数箇所は完全に木でつながっている状態ですので、気軽に抜くわけにはいきません。 結局、車体をゆがませずに木から鉄骨に入れ替えるため、車内は左のような緊縛状態になってしまいました(笑)。 不思議なことにこの作業をしていると川原のフェンスがどんどん短くなっていくんですが何故でしょうか?(謎) 苦労の甲斐あってフォークリフトで上げても車体形状を維持できるカッチリしたボディができました。 

そして入れ替える鋼材は、オリジナルの木材の厚み(45ミリ)に最も近い↓画像の100x50MMをつかうことにしました。 定尺5Mを2本購入。

ツッパリを入れて溶接する前にちょっと調整した箇所があります。 それはドアのチリです。 ボディ構造を決定している木材が縮んだと見られ、ドアの下方向のチリがキツクなっていましたのでタイダウンのベルトで引っ張り若干矯正しておきました。 ドアは内側のフレームの大部分を入れ替えるまでは正確なチリの状態で点付けでボディに溶接してしまいます。 具体的には5ミリ厚の鉄板を隙間にスペーサーとして挟みそれをボディとドアの両方がづれないように点付けしました。  
そして木材の摘出手術を開始!順番は、まず車体の床の内側を一周している木材を抜き取り、それを鉄骨に入れ替えてから上方向に進めていくことにしました。 ↓が抜き取った床外側のフレームで、この状態で手前が車両後方です。 車体底部の折り返しと釘で結合されていました。 この釘孔もあとからチマチマ埋めなければならないのが面倒です。 木材は腐りもなく程度良好でした。 改めて保存状態の良い車両ということを確認できたのと同時に、数十年前にアメリカのバックヤードビルダー達も同じようなことをしていたのかな〜? と考えると同じ肯定を経験できることを幸福だと思えました。 

 
下回りの木製のフレームが降りたところで、これのコピー品を鉄骨で作ります。 作業は採寸してはバンドソーで切断しTIGで溶接するの繰り返し。 簡単そうに見えますが(見えない?(笑))、一日がかりで作ったのが右下のコピー品です。 左の木の部分の先端の形状をコピーしています。 幅が若干広いのでリセスもそれに合わせて幅広に。もちろん溶接によるゆがみが出ないようにシャコマンでがっちり固定して点付けの後、本溶接します。 しかし、いったいこんな作業をどのくらいこなさなければならないのか? 気が遠くなります(笑・・・・うしかない)。
フレームの鉄骨化、どんどん行きましょ〜



Gへ続く