車雑誌がクライアントの手前、書きたくても書けなかった

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日本でも数少ない戦前車乗りの為の掲示板。 
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さぁ、フレームも注文したので、あとはボディを下ろして軽くレストアし、エンジンをOHすれば公道に復帰だ!! 思っていました。  そのときまでは・・・・・。
調子よく、鼻歌交じりで前方からどんどんばらして行き、ボディ換装の為に内装をはがしにかかりました。 ちなみに内装はきちんとモケットで貼られていて、プロっぽい仕事ですが、如何せん放置期間も長く、薄汚れた感じがしますので、再利用するかどうかはちょっと微妙です。クリーニングしたら綺麗になるのかなぁ。
ところがカーペットを剥いでみると・・・・うわ!木だ〜!!鉄枠(サイド・シル)の中に木が入っているのではなく、完璧なソリッド・ウッド・シルです。 A型に木のシルの車なんてあった??? 急いで調べてみると、なんと、

鉄フレーム: Coupe, Tudor, Pickup, Fordor (フェートン)
(Steel Framed Bodies)

木フレーム:Fordor (セダン)、Cabriolet、Victoria
(Wood Framed Bodies)



と、もともとの構造上の違いがあることが分かりました。
今ごろ分かってどうする→俺(涙) 
フルオリジナル&オリジナルエンジンで乗りたい人にはどっちでも良いかもしれませんが、Street Rodにしたい人は、
手を出してはいけないモデルかも・・・。 私はVickyはクーペの派生モデルかと思っていたのですが、位置づけがFordor (セダン)の2ドアショートボディという感じなのかも?? いづれにしろ、もともとがSolid Wood Frame and Side Sillなので、リプロダクションのSteel Sillが販売されていません・・・・。 つまり、ボディ側のフレームの製作が確定したということです(泣)。鉄床化もTudorのキットを加工して床を貼り(使えるのか? どのくらいの加工が必要なのかも全く不明) しかしリプロの鉄シルもペラペラのスタンプ物なので、V8積んで踏むなら元がショボイ鉄だろうが、木だろうが関係ないだろう・・・・と、自分を少し慰めました(笑)
しかし、天井をはがしてみると、さらに恐ろしいことが・・・・・フロントウィンドウの上、ドア上の構造材も全て木(驚)!! 上の画像は助手席側のAピラーです・・・・左右から交わる構造材が見事に木です。
さらに、外側のレザーを剥いだら網が出てきて、室内と貫通・・・というかこんなにに明るい室内になりました♪(←やけくそ気味)。 Bピラーも完全に天然木材でAピラーからくる木材にT型のステーで留まっています(驚) 
恐怖は、A→B→Cピラーへ続きます。 う〜ん。なんだかよくわかりません。 とりあえず、室内を這っているものは全て木です。リアウィンドウの枠も木です。  
特に、リアウィンドウからCピラーへのカーブを作っている、この階段みたいな子は何の役に立っているのかまるで不明。 多分屋外放置のレストアベース車だとこの辺の木は全て腐って消失してるんでしょうねぇ・・・・・ 
・・・・・・・・・・・・・・・・(悩)
そこで、いい案が思い浮かびました!! とりあえずこれらは「見なかったことにして」、適当にエンジンを直して、ひん曲がったリアのアームをコッソリと番線で縛りあげ、某Yオークションに出品しよう! 「超希少 Ford Model A Victoria フルレストア済 極上車、日本に1台!」 最低落札価格は安いとかえって怪しいので、ちょっと強気の380万円くらいでノークレーム、ノーリターンで出して、受け渡しの時に、最初の曲がり角さえ曲がってくれればしめたもの! 後は走って逃げるだけです(謎)。なんて冗談を思いつく状況ではなく、もはや車というよりは、鳩小屋にしか見えない物体を目の前に、呆然としていました。 上の写真を見せられて、「これな〜んだ?」って聞かれて、「車」と答えるひとはまずいないでしょう。 
しかし、ハッと我にかえってよく見れば、鉄板部分、ボディはドアを含めてまったく腐りがありません。 下回りを見ても欠損部分まるでなく、鉄板を切り張りした跡も無いことから、保存状態は極めて良いことに気づきました。 74年前の車でこんなドアありえます?? ドア下も全く腐っていません!? (2発ほど喰らっている銃弾の後は見なかったことに・・・・笑)
ルーフのレザーをはがしたところ、Fウィンドウの上なんかも、めちゃめちゃしっかりしています、外皮は・・・・・・。 しかし、中身が木だと思うとかなり鬱。 外皮は中に通っている木材に釘で留まっています・・・・この後、のバラシは上のワイヤーブラシのヨコにある釘ヌキが大活躍。 

今となっては,希少でレアなA型のクーペやセダンは、当時、数十〜数百万台を売り上げた人気車でした。 フォードのDomestic Production A型(1927-1931年)の公式生産台数記録によると、クーペが91万台、トラック48万台、ロードスター45万台、Tudor130万台に対してVictoriaの生産台数は桁違いに少ない合計40,212台 A型の中でもウルトラレアモデルです。 自分がオールスチール&フルフェンダーのVictoriaでストリートロッドを作るのであれば、もう他に選択の余地はありません。 むしろ、オリジナルのHenry's Oak (Henry Ford オリジナルのオーク材)の骨格を拝めたのは幸運かもしれません。 もともとのネイチャーがオプティミスティックな私は、鳩小屋を前に「完璧なストリートロッドとして」公道復帰させる決心を固めるのでした!!



Eへ続く