車雑誌がクライアントの手前、書きたくても書けなかった

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日本でも数少ない戦前車乗りの為の掲示板。 
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つまり、人気のある30年代前半までのFordに関して、各モデルの基本的なフレームの種類はこれしかありません。 そして、これらのフレームを作っているメーカーがアメリカには数十社もあり、フレーム専門だったり、付属する足回りまで自社開発していたり、フレームは作るけど、付属する部品は他のメーカーのアセンブリーを組み合わせたりしていたり、経営形態もさまざまです。
フレームを注文する!
 
前ページでは「仮に注文するとして」と、書きましたが私は実際にもう注文しました! まず、お読みいただくまえに、これだけは注意してください。 私は、過去にフレームを注文したことがありませんので (ショップでもない限り、人生において戦前車のフレームを何度も注文すること自体ありえませんが(笑))、これが一番良い方法なのかどうか、わかりません。 実際にフレームが来たらひどいシロモノがくるかもしれませんし、すばらしいモノが来るかもしれません。 もしかしたら、お金だけ騙し取られるかもしれません。 これは賭けです。 これで大失敗したら、「こういう方法はダメなのね〜(笑)」と軽く流して笑ってください。 それによって何人かの人が私と同じ徹を踏まずに済むのであれば、それはそれで私のやったことには意味があるでしょう。 逆にうまくいけば、やりたいと思っていた方々に参考にして頂けるでしょう。 

さて、それでは実際にフレームを注文するに当たって足回りのメニューを考えて行きたいと思います。 目指すスタイルにより、選択するパーツも当然違いますが、それらの話しを分かりやすくする為に、ざっくりと3タイプのスタイルを例にしたいと思います。 

@多少、機能、性能に目をつぶっても当時のトラディショナルなスタイルを極めたい人。 
A当時のスタイルを踏襲しながらも、安全性と機能もある程度両立させたい人。 
B外見が戦前車でもとにかく現代車にも負けない速さ、性能、機能を極めたい人。
(注: ここでは、@にサビのキいた黒プライマーのワイルドな改造車は含まず)


@とBは個々の部品の良し悪しはあれど、おのずとスタイルが決まってきます。 @に関しては50年以上の長いStreet Rodの歴史の中で培われたベンチマーク的なスタイルがあり、足回りはヘアピン・ラジアスロッド、エンジンもフラットヘッドなど部品の入手もメンテも大変で、今となっては本体価格も消耗品価格も高く、パワーを出すのが難しいといった、真性マニアの為のアイテムとなる為、私のような中途半端な軟弱Rodder野郎にはとても手がでせません(私、「踏む」ので馬力無い、壊れやすい、部品が高いエンジンはダメです・・・・笑)。 しかし、綺麗にディテーリングされたFヘッドを積んだトラディショナルな車両はホント〜にかっこいいです(ただし、速いのが条件)。 しかし、手間もコストも「恐ろしく」かかるし、なによりも経験とセンスが必要なので、作ってみたいとは思いますが、今回はおあづけ(笑)。 

*下画像は典型的なトラディショナル・スタイルに使われる Hair Pin Radius Rods



Bに関しては、フロントを独立のIFS、リアもコルベットC4、C5等を流用したIRSとすることで、4独が可能になりますが、前だけ独立懸架とするケースも多く見られます。 そして、エンジンに関してもインジェクション化、キャデの32V、LS1といった現代車のエンジンを流用することで、走行性能も、速さも手に入れることが可能になります。 それでは、私がなぜ、Bにしないかという理由は、せっかく古い車に乗るのに、見た目が古っぽくないのは本末転倒で、特に自分が、フロントのアイ・ビーム・アクスルがこの辺の車のハズせないアイデンティティだと思っていることが理由です。 性能だけを考えればIFS&IRSの方が、サスのセッティングから、路面追従性も乗り心地も、後々のメンテナンスも、アップグレードも楽なことは間違いありません。 でも、それだと結局コルベットのフレームにボディ乗せただけみたいになってしまって・・・・特に今回はストックのスチールボディを使うのでなおさらです。 ( ・・・・・ちょっとやり過ぎ感があるのも好み的にX )
*フロントとリアに独立懸架を配した例 (リアはコルベット流用)


というわけで、今回はAの中途半端といえば、中途半端ですが、レトロな雰囲気を極力残し、かつ日常使いができる均衡点をさぐりつつ改造していくことを目標とします。 しかし、本当にAは半端か?と言えば、実は現地のStreet Rodderには一番多いタイプだったりします。 私が選んだのは、フロントはトラディショナルとはいえないけれど、やはり旧式なビーム・アクスル&4Barのスタイル、リアは横置きのリーフを廃して4Barにコイルオーバーの組み合わせとしました。 リアは、憧れのハリブランドのクィックチェンジやジャグァ(弱いけど)といったスタイルもかっこいいのですが、こりゃ高くて手が出せません。 ただし、現在ついているGMのホーシングはフォード9へ交換です。 別に8でもいいんですが、これは330と互換を持たせる為。 イザと言う時に部品取り(?)があるというのは心強いです。 結果的に私の330とVickyは同じChevy350(中身は全然ちがうけど)、同じTH400、同じFord9ということになります。 エンジンの補機類に互換があると「こっちのを付けてみよう・・・」といった交換ができるので、トラブルシューティングがグッと楽になります。 また、デフのファイナルは幾つか用意するので、それぞれが使っていないデフを使用できるのもありがたい。 現在はファイナル、3.0、 3.5、 3.7を持っています。
フロント4Barの32年5W


今回、足回りに関して私がちょっとひねったのは、リアの4barをパンハードバーを使わない、いわゆるトライアングレーテッドにしたことです。 4本が並行となるパラレル4リンクに比べて、フレーム下に斜めのリンクが通ることで、排気管の取り回しが面倒になる可能性もあるかもしれませんが、このリンケージ・スタイルは自分の330で使っており、フィーリングも良かったので、あえてVickyでも挑戦してみることにしました。 肝心のフレームの方ですが、現在の「純正フレームでリア末端までまっ直線」のものでは、車高を下げるのに限界があり、下げたとしてもストローク量が稼げないので、2−3インチ分、キックアップさせます。 つまり、ボトムした時にフレームにホーシングがぶつからないように、階段状にフレームを一段上にクランクさせる加工を行います。 フロントはスタイル的にそんな加工は出来ないのですが、アクスルの通過する真上にCイングを行い、標準的な4インチのドロップ・アイビームの組み合わせで下げることとしました。 

下の画像はRodFactory製のフロント、リアともに4Barの31年用フレーム
注: フロントCノッチ、およびリアのトランアングレーテッドではありません

そして、ボディ側にもチャネリングを行う予定ですが、何インチにするかはフレームが到着してから考えます。(フルフェンダーなので、そんなには下げられないかも・・・・・?) 特にリアをキックアップした場合はその逃げ加工をボディの床側に行わなければならないのですが、5乗(いまさらですが、5名乗車の略です)のVickyでは、2乗の5Wみたいに床をごっそり抜いてもトランク内となり、使用上も特に問題なし・・・とはならないので、5乗を確保し、更に燃料タンクをかっこよく配置するためには綿密な計測が必要となるでしょう。 フレームはもちろん、フルBoxingされているTig溶接で作られたフレームを注文します(しました・・・笑)。  

そして、これらの細かい仕様書をつくり、いよいよ注文!!
 ・・・・の前に、どこのメーカーで作ってもらうか?を決めなければなりません。 歴史があり、いろいろなオプションも多数用意されており、有名なのはやはりTCI (Total Cost Involved社)、Rod Factory、So-Cal(ちと高い)、Total Performance社(T型のプロショップ、A型のTCIのフレームの取り扱いもあり)等、特にTCIはその歴史と、使っているユーザー数は非常に多いです。 普通に考えればTCIが無難かなぁ・・・・・・・。  そこで、本当にそれで良いか? 最終確認の意味も含めて、リサーチを行うことにしました。 日本でリサーチしてもサンプル・ケースが少なすぎて、意味が無い (3件の家庭だけで視聴率調査をしているようなもんです(笑)) ので、情報豊かな現地で行うしかありません。  まずは、米国にいるDatsunつながりの自他共に認める”超変態級日産マニーヤ”君(彼はVG30DETを510ブルに積み、ストラットをダブルウィッシュボーンに改造したりといったかなりブチ切れた人間です。 2年前の夏に初めて日本に遊びにきた時に、「解体屋に行きたい」というので、連れて行ったら、エンジンが欲しいと言い出し(唖然)、車載工具に毛が生えたようなものだけで、SR20DETを解体車から1時間半かからずに降ろしました(驚)。 そして今は米国でそれをSP310に載せて走っています・・・・・・・。)  とりあえず、彼の住むシアトルに電話をし、ひとしきりお互いの近況について話した後、彼の車つながりのStreet Rodderを紹介してもらうことにしました。 名前と電話番号をもらって、まずは電話があるかもしれないことと、何時ごろが都合がいいかを聞いてもらい、後日電話をして直接聞いてみました。
 
結果は、なかなか興味深い面白いものでした!



Cへ続く